神待ちサイトで相手を探すのであれば、週末前には必ず見つけて起きたという思いがある。
それは金曜や土曜になると、怒涛のように競争率が上がってしまうからで、
どれだけ連絡をしようともなかなか見つける事が出来ないからだ。

そこで火曜日辺りから必死に相手を探していたが、見つからなかった。

結局、その週は木曜日まで相手が見つけられなかったので、
「今回は諦めるか・・」と肩を落としていた。
その週の金曜、仕事も早く終わったので帰って撮りためている映画やドラマでも見ながら
まったり過ごすかな・・なんて思いながら家路を急いだ。
だが、私がいつも利用している駅に着くと、
明らかに誰を待っているような子が一人座り込んでいた。

(声を掛けてみようかな・・)

なんて密かに思っていたが、さすがにその勇気はなく家に帰った。

自宅でまったり過ごしている事1時間、
買い置きしておいたお酒がなくなってしまったので、
仕方なくコンビニまで走った。その途中で駅を通り過ぎるのだが、
チラッと見るとさっきまで座り込んでいた彼女がまだ座り込んだまま居た。
そこで勇気を振り絞って声を掛けてみた。

「こんばんは、どうかしたの?」

そう尋ねると彼女は急に泣きじゃくってしまった。
このまま泣かせておくと、私が泣かしたみたいになってしまう・・
そう思ったのでつい、

「ど、どうしたの?何でも聞いてあげるから言いな?」

そう口にしてしまった。
彼女は泣きじゃくりながらも私の方を見てこういった。

「今日だけでいいから泊めてください・・」

詳しく話を聞いてみると、自宅で親と口論になり家を飛び出した。
そして友だちの家に行き泊めて貰おうと思ったが、
その友だちの家には彼氏が来ていたようで、
「今日はムリ!ごめん!!」と言われてしまったようだ・・
自宅に帰ろうと思ったが、今日は帰りたくない・・という思いで、
神待ちサイトで相手を探して、ここで待ち合わせ。となっていたが、
相手が何も連絡の無いまま現れずにずっと待っていたそうだ。

可哀想に・・・

「1日だけだよ?明日にはちゃんと帰るんだよ?」

そういう約束で泊めてあげた。
さっきまで一人ソファーでまったりくつろいでいたのが、
数時間後には隣にポツンと座る女の子が・・。
そう思うと居ても立っても居られないなってしまい、
思わず襲ってしまいそうになったが・・何とか堪えた。

彼女のさっきまでの涙を思ってしまうと手が出せなかった。

すっかり疲れてしまったのが、彼女は自宅について数十分後には寝てしまったので、
抱き抱えてベッドに移して、私はソファーで一夜を明かした。
次の日には彼女はちゃんと自宅に帰ったようだが・・
数日後には突然知らない番号から連絡があり出てみると彼女だった。

「この前はありがとうございました。また今週末泊めて貰えませんか?」

この間は何とか我慢したけど、今度は我慢できるかわからないと
正直に伝えてみると彼女からは意外な反応が返ってきた。

「いいですよ。我慢しなくても!」

やはり週末の神待ち、さらには駅前はアツいようだ・・